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「準備万端」はなかなかありえない

馬鹿の知恵はあとから出てくるというが、
われわれの作戦は想定されるあらゆる事態に
備えて、的確な対策を立てねばならない。
勝負は、いまここで決定するといってよい。
知恵はいまこそ必要なのです。後から出る知恵は
知恵ではない。それは後悔というものだ。
悔いない戦いとは、事前の作戦の優劣に
かかっているのだ。


        池田大作『人間革命』第9巻より


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小樽問答に向けた作戦会議での戸田先生の言葉である。

私はかつて、基盤構築や障害担当の「ヤッツケ部隊」だったが、
去年から今年にかけて、まったく畑の違う、システム開発という
仕事に関わった。開発プロジェクトでは、まず最初に
WBS(Work Breakdown Structure)を定義する。
はじめは、「なんて面倒くさいことをするのか」と思って
いたが、この定義をする中で、慣れたエンジニアからは、
「ここではこれが想定される」、「これが起こったらどうする?」
といった、かなり具体的な提案がなされる。
これがまた、計画の段階ではとても想像もつかないことばかりで、
「へぇーなるほどー」と、今からそこまで想定するものなのかと、
感心したものだ。もっとも、仕事だし、お金が絡んでいること
だからこそ、みんな真剣なのだが。
それにしても、スタートの時点で、修羅場を想像した動きに
備える
というのは、なかなかできるものではない。
「なんとかなるさ」、「なんかあったらその場で火消するよ」
という浅はかさを後悔する羽目になるのは、結局自分である。

「はじめから勝負はついている」とは、戸田先生の言葉で、
よく引用される。自信と勢いをつけるために言われた言葉である
には違いないが、この言葉に安心しきって、甘い準備で
臨むのは愚の骨頂だ。それは例えば、座談会で御書講義の
担当を頼まれた時とか、会合で副導師を任ぜられた時や、
創価班の任務の時にも当てはまる。
もっとも、祈りが基本であるが、頭がカラっぽでは、
どうしようもない。
智慧を絞り出す祈りと、先手を取りに行く決意を絞り出す
一念を心がけたい。
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2011/10/10

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