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御義口伝の重要性

  日蓮大聖人の御一代における各御抄は、いずれも重要である。
例えば 「立正安国論」 は正法を立てることによってのみ、国家社会の平和と繁栄が実現されることを論じている。
「開目抄」 には、五重の相対を立ててあらゆる諸教を配列批判し、日蓮大聖人こそが人本尊であらせられることを明かしている。
「観心本尊抄」 には、末法における即身成仏の大直道は、三大秘法の大御本尊であることを明かしている。

  「御義口伝」 は、これらの御抄とは比較にならない重要性がある。 それは日蓮大聖人の文底下種仏法が、きわめて明確に説き尽くされているからである。
「御義口伝」 においては、釈尊所説の法華経二十八品、並びに開結二経の文を挙げて、天台、妙楽等の釈を引かれ、あらゆる宗教観、生命論、宇宙論、生活指導の原理等々とを信心に約し、生活に約し説き尽くされている

  法華経二十八品自体が、すでに釈尊一代50年の説法における最高の教典である。迹門には諸法実相、理の一念三千を説き、本門には久遠実成、事の一念三千を明かしている。しかして日蓮宗と名乗る各宗派は、悉くこの文上の法華経に執着し、これが究竟の極説であるかのごとき邪見に陥っている。しかし、釈尊の法華経は、日蓮大聖人の三大秘法と比較するときには、本迹二門とともに、熟脱であり垂迹である。日蓮大聖人の三大秘法こそが、唯一最高の久遠下種の本地の大百法である

  「御義口伝」 の内容は、法華経の文や天台大師、妙楽大師の解釈の文を引きながらも、必ず日蓮大聖人の観心の上から、一々文々の句々を種脱相対、久遠元初、三大秘法、人法一箇の大御本尊等々の仏教哲理の極致をお述べになっている。さらにまだ生命論の上から、随縁真如、不変真如、煩悩即菩提、生死即涅槃、法報応の三身、空仮中の三諦、色心不二、因果倶時、十界皆成、常楽我浄等々の、生命論の究極をお説きになっている。さらにまた 「今日日蓮等の類、南無妙法蓮華経と唱え奉る者」 とて、末法の地涌の菩薩として出現された日蓮大聖人こそが、久遠の御本仏として一切衆生を永遠にお救いになる、その国土は日本国であり、総じては全世界であると宣言されている。


    (池田大作著 「御義口伝講義 上(一)」 より抜粋要旨)
更新:2009/08/23

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